海外銀行口座開設詐欺に注意!気を付けることは?

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 みなさん、こんにちは。

 以前、海外銀行口座に関するお話をしました。

 海外銀行口座を開設する方法を解説|2020年版

 海外銀行口座|メリット・デメリットを解説

 海外銀行口座を開設するメリットやデメリットは様々あるので、ご自身の状況に合わせて開設、預金等することが大切です。

 

 とはいえ、日本で口座開設をするのと、海外の銀行口座を開設するのとでは、手間ややり方も全く異なるため、なかなか自分でできるか不安…という方も多くいらっしゃるかと思います。

 

 その隙に付け入る詐欺として、海外銀行の口座開設詐欺があります。

 

 最近では、知らないうちに自分の口座が詐欺に利用されていた、ということも起こっています。

 その被害に合わないためにも、どのような手口で詐欺が行われているかを知っておきましょう。

海外口座開設の詐欺

 海外銀行口座開設詐欺は大きく2種類あります。

海外口座を開設する手数料や保証金として、お金を騙し取るパターン

 

 これは、日本に拠点がない海外の銀行口座開設をサポートするという名目で、開設費用を騙し取る手口の詐欺です。

 犯人は、利回りの高い投資を行うためとか、日本の銀行よりも海外の銀行の方が利回りがいいからと、日本に拠点を置いていない海外の銀行口座を開設するように促します。

 

 しかし、海外の銀行口座を開設するには、外国銀行代理銀行として認可された銀行での手続きするか、現地の窓口へ足を運んで口座開設するか、認可を受けている代理店に代行してもらう必要があります。

 海外の銀行が信頼できる銀行だとしても、そもそも代理店が詐欺グループの場合は騙されてしまいます。

 

 このように、認可されていない業者が口座開設の手続きを行うケースは、口座の開設資金等を騙し取る詐欺の可能性が非常に高いため、金融庁もホームページ(預金口座開設の勧誘に関する注意喚起について)で注意喚起をしています。

 そのため、信頼のおける銀行なのか調べるだけでなく、認可された代理店なのかもきちんと調べましょう。

海外の銀行が存在していないパターン

 前述しましたが、海外の銀行口座を開設する場合、その海外銀行がどのような銀行なのかは必ずご自身で確認することが肝要です。

 海外の銀行なので、調べるにも何を調べたらいいのか分からないということもあるかと思いますが、以下2点については必ず確認しましょう。

  1. 会社が上場しているか
  2. 株主にはどんな会社があるか

 もし検討している銀行が、上場もしていない、株主も分からないという会社は、詐欺の可能性が高いので安易に口座開設するのは止めましょう。

 また、調べてみたけどよく分からないという方は、そもそも海外の銀行口座を開設するかどうかを再度検討した方が良いでしょう。

 もし仮に、銀行口座開設を斡旋してきた業者がいなくなった場合、全ての手続きをご自身で行わなくてはいけません。場合によっては、現地の窓口に出向いて銀行と直接交渉しなくてはいけない場面もあるでしょう。そうなった時に、きちんと対応できる語学力や突破力が必要になります。それができない場合は、預けた預金はそのままどうすることもできず、泣き寝入りすることになります。

 そのリスクを考えた上で、信頼できる銀行なのか、信頼できる代理店なのか、何かあった時に自分でも対処ができるのかを冷静に判断することが大切です。

「郵送で簡単に海外銀行口座開設できる」という勧誘にご注意を

 よく「郵送で海外の銀行口座を開設できます!」という謳い文句で勧誘する業者がいます。

 数年前であれば、実際に郵送で口座開設が可能だった時代もありますが、現在はマネーロンダリングの規制により口座開設がかなり厳しくなっておりますので、郵送で口座開設するのは不可能です。 

 そういった謳い文句で勧誘してくる代理店が紹介する銀行は、銀行としての信用度が低い場合が多いです。

 発展途上国の情報が少ない田舎の銀行であったり、日本の地方都市くらいの小国の銀行口座を開設するのは、かなりリスクが高いです。このような銀行は、その国の周辺住民でさえ、口座に振り込みがあれば即座に現金を引き出すような信用度です。

 

 小さな国の信用の低い銀行口座の開設を斡旋してくる業者は、必ずと言っていいほど高金利定期預金の魅力を謳ってきます。

 基本的に、海外の銀行口座開設は、その国に赴き、実際に国の経済力や生活、街の雰囲気などをみて開設する方が無難です。

 「定期預金金利が高いですよ!」という、信用できるかどうか分からない言葉を信じて、安易に郵送で海外の銀行口座を開設して、業者の言われるままに指定された銀行口座に送金することだけは止めましょう。

 何度も言いますが、もし代理店を通して海外の銀行口座を開設するのであれば、必ず認可されている代理店かを調べましょう。

 

 業者から魅力的な話を持ちかけられた時は、ひとりで決めずに必ず家族や友人など周りの信頼できる人にも相談するようにしてください。

まとめ

 今回は、海外銀行の口座開設詐欺に合わないために、どのような手口で詐欺が行われているかについてお話しました。

 近年、日本の金融政策の不安から、年齢や収入を問わず積極的に資産運用を始める方が多くなっています。その中で、日本と比較して金利の高い海外の銀行口座で口座開設をしたり投資をしたりする人も少なくありません。

 それ自体は適切に行えば問題ありませんが、あまり知識のない方が安易に手を出そうとすると、そこに付け入った詐欺業者の口車に乗せられて、気づいた時には多額のお金を失ってしまったという被害が後を断ちません。

 「自分は詐欺被害に合うわけない、大丈夫」と思っていても、詐欺業者はありとあらゆる手段で、心の隙をついてくるプロです。詐欺被害にあっても、ほとんどが泣き寝入りをするしかないケースがほとんどですので、被害者にならないためにも「必ず自分で確認する」「ひとりで決めない・誰かに相談する」というのを心掛けましょう。

 「調べても自分ではよく分からない」というものには、最初から手を出さないという決断も被害に合わないためには非常に大事なことです。