海外銀行口座を開設する方法を解説|2020年版

海外銀行口座を開設する方法を解説|2020年版

 みなさん、こんにちは。

 近年グローバル化が急速に進んでいる中で、海外への留学や赴任などを期に、海外口座を開設したいという人が増えています。

 また、日本の銀行の金利より海外銀行の方が金利が高いことから、資産運用のために海外口座を開設する人も増えています。

 今回は、海外で銀行口座を開設する際に必要な知識や、方法についてご説明します。

海外口座にリアルレートで送金する

 日本と海外間で送金を行う際、 TransferWiseというオンライン海外送金サービスを用いることができます。海外送金に特化したサービスで為替手数料が含まれないため、リアルレートで送金ができます。

 他社と比較してどれだけ安い手数料なのかは、シミュレーションで確認することができます。

 初回の送金手続きは、住所確認が不要です。(2回目以降や、初回でも10万円以上の送金の場合は、日本の住所確認が必要)

  TransferWiseには、40以上の海外通貨を管理できるボーダーレスアカウントサービスがあります。(2020年7月時点では日本在住者未対応)

海外口座開設はメリットも多いが、簡単ではない

 留学や赴任・移住などで海外に長期滞在する際に、海外口座を持っていると給与の受け取りや家賃の支払いなど様々な手続きが簡単に行えるようになります。銀行口座にはデビットカードも付帯するため、日常生活での買い物も便利になります。

 また、日本に住みながら、日本よりも高金利の国の海外に預金することもできます。

 

 しかし近年は、世界中でマネーロンダリング対策が強化されているため、非居住者(現地で生活していない旅行者や短期滞在者)には海外口座開設のハードルが高くなってきています。例えば、アメリカ合衆国(ハワイ州を除く)やイギリスで口座開設するには、居住していることを証明する必要があります。

 

海外銀行口座開設方法3パターン

海外口座開設方法としては3つあります

1.海外現地で開設する

 現地居住者や、居住予定の人は、直接現地の銀行窓口(もしくはオンライン)で口座開設するのが確実です。

 海外口座開設の際は、現地に住所があることを証明する書類や、ビザの提示を求められるのが一般的です。

2.海外銀行の日本支店から開設する

 日本に支店を持っている海外銀行は少ないため、難しい方法となります。また、日本支店で口座を開設しても日本用のため海外では使えないところもあります。(中国、香港、シンガポールなど)

しかし、フィリピンの銀行では日本支店で口座開設できるところもあります。

 海外に移住する予定がある場合は、現地で口座開設する方がスムーズでしょう。

3.海外銀行とパートナーシップのある日本銀行から開設する

 三菱UFJ銀行は、ユニオンバンク(アメリカ合衆国)とアユタヤ銀行(タイ)と提携しています。三菱UFJ銀行を通じてこれらの銀行の口座を開設することができるので、現地へ行けない方や現地の言葉は自信がないという方にはお勧めな方法です。

    海外口座開設は日本じゃできない?!|口座開設方法で、ユニオンバンクの口座開設方法を解説しています。  

 

銀行口座以外の選択

TransferWiseボーダーレス口座を開設する(2020年7月現在日本未対応)

 

 世界各国で仕事をする方や、多国を旅行する方には、TransferWiseのボーダーレス口座の開設がお勧めです。

 

 ボーダーレス口座は、40以上の通貨を1つのアカウントで同時に管理でき、通貨間の両替もリアルレートで格安にできます。また、USD、AUD、EUR、GBP、NZDの5通貨を手数料無料で受け取れるため、お得に利用できます。

 しかし、残念ながら日本に居住している方は申し込みできません。(2020年7月現在)

海外銀行口座開設に必要な条件・必要書類

 海外口座を開設する際に必要な書類は以下の通りです。ただし、国や銀行によって異なるため事前に確認して不備がないようにしましょう。

基本的には、合法的に長期滞在している方なら、必要書類があれば問題なく口座開設できます。

必要書類

1.パスポート

2.ビザや滞在許可証(留学生ビザ、就労ビザ、永住ビザ等)

3.現地住所を証明できるもの(公共料金の請求書、政府機関からの郵便物等)

4.マイナンバー

 必ず必要なわけではありませんが、念のために準備しておきましょう。

5.現金(初期入金用)

手数料に注意しましょう!

 海外口座開設後に、日本の口座から資金を送金する際、手数料が高くなる場合が多く、銀行によっては送金手数料だけで5,000円を超えることもあります。

 しかし、かかるのは送金手数料だけではありません。銀行や海外送金プロバイダの中には、リアルレートに「為替手数料」を上乗せしたレートで海外送金を行っているところが多くあります。

 このような手数料はレートの中に含まれるため隠れコストに気付きにくくなっています。

日本からアメリカの口座に1,000ドル着金させる場合の手数料

銀行/プロバイダ送金手数料(中継銀行手数料込)為替レート(1ドル当たり)合計コスト日本円支払額概算
ゆうちょ銀行2,000円公示なし2,000円+為替手数料110,070+為替手数料
楽天銀行1,750円109.17円1,750円+為替手数料110,920円
三井住友ダイレクト6,000円109.07円6,000円+為替手数料115,070円
新生銀行2,000円109.07円2,000円+為替手数料111,070円
TransferWise225円
+0.79%
107.865円1,104円108,969円

1,000ドルを相手口座に着金させるためには、利用する銀行やサービスによって金額がかなり変わることが分かります。この金額の差は送金手数料の差だけではなく、為替レートの差も関係してきます。

 そのため、海外送金する際には、送金手数料だけでなく為替レートも確認して、隠れコストで損をしないように気をつけましょう。

口座維持手数料

 日本人が海外口座を持つ際に注意したいのが「口座維持手数料」の存在です。日本の銀行では馴染みがありませんが、海外のほとんどの銀行では口座を持つだけで毎月口座維持手数料がかかります。

 口座維持手数料は、口座の残高が毎月一定以上、もしくは毎月一定額以上の利用があれば無料になる場合も多くあります。しかし、口座利用が少なかったり、残高が足りないと手数料がかかってしまいます。

 口座維持手数料を考慮せずに口座を開設して放置してしまうと、手数料だけ取られてしまうので開設の際は注意しましょう。

まとめ

 今回は、海外銀行の口座開設について詳しくお話ししました。一般的に海外で口座開設するには、ほとんどの場合、合法的に長期滞在していることや、現地住所があることの証明が必要なので、日本在住だと開設するのが難しい場合が多いでしょう。

また、海外口座開設後に送金する際は、送金手数料だけでなく為替レートなどの隠れコストに注意が必要です。

 海外銀行で口座開設したり海外送金したりする場合は、しっかりと事前に調べた上で行うようにしましょう。