個人投資家が年末年始にやっておくべき4つのこと

  • 資産運用は、まず現状認識から

  • 資産をリスクによってグループに分類する

  • 自分の資産運用の目標を設定する

  • 年末年始は資産運用のやり方を考えるチャンス

、2021年も新型コロナウイルスに翻弄される1年となりました。今年こそ、経済が正常化し、旅行や外食が自由に楽しめる年になればと強く願います。

しかし、世の中の環境に関わらず、資産運用は淡々と継続していかなければなりません。環境に振り回されない投資をするには、やはりアセットアロケーションを中心とした堅実な資産運用をすることが大切です。

今年からは、もっと心安らかに資産運用をしたいという方に、その方法をお伝えします。まず年始にやってもらいたいのが、現状認識、そしてその次にやるべきことは目標設定です。

資産運用は、まず現状認識から

どの商品に投資をするのかを考える前にやるべきことは、現状認識です。

自分が現状どのような状態にあるかが分からなければ、これから何をして良いのかも考えることができないからです。

個人投資家の中には自分の資産をどこにどのように配分しているか把握できていない人もいらっしゃるかもしれません。

まず、銀行や証券会社にある金融資産だけではなく、不動産や貴金属、さらには暗号資産など自分が保有しているすべての資産を洗い出し、リストアップします。

私の場合、投資信託や株式だけではなく、不動産を始め、投資用のワインやウイスキー、さらには現代アートやヴィンテージカー、太陽光発電投資、マイニングマシンなど、実物資産にもかなり投資をしています。

また、ローンを組んで不動産投資を行っている場合、資産だけではなく借り入れ状況も把握しておく必要があります。直近の借入残高を把握しておきましょう。

資産をリスクによってグループに分類する

すべての資産がリストアップできたら、今度は資産をグループに分類していきます。まず分類すべきなのは、円資産と外貨建て資産です。

外国株式や外国債券に投資している資産は、外貨建て資産として現在の為替レートで円換算金額を計算します。国内の投資信託であれば、基準価格に為替レートも反映していますので、時価を把握しておけば良いでしょう。

もう1つの分類は金融資産と実物資産です。これら2つの分類によって、まず資産を大きく下記の4つのグループに分けます。

1.円の金融資産
2.外貨建ての金融資産
3.円の実物資産
4.外貨建ての実物資産

それから、さらにその中で細かくグループ化します。例えば、金融資産であれば株式型、債券型というように分けていきます。

グループ分けが終わったら、資産全体に占めるそれぞれのグループの比率を計算することで、資産配分の偏りがないかをチェックすることができます。

1つの資産に資金が集中していたり、円資産と外貨資産の比率が偏っていたりする場合は、アセットアロケーションを見直す必要があります。

自分の資産運用の目標を設定する

資産全体をチェックした上でもう1つ重要な点は、自分の資産運用の目標と現在の資産運用状況が一致しているかを確認することです。

例えば、将来的なリタイア後の生活資金の確保といった長期の資産形成であれば、株式の短期売買等を行うより、NISAやつみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)のような税制優遇制度を活用して、金融資産を積み立てていくのが良いでしょう。

また安定したインカム収入が必要であれば、不動産のような家賃収入が安定的に狙える投資対象を検討するのも選択肢の1つです。

現在の資産運用を続けることが、将来の自分の目標に一致していることが確認できれば、安心してその方法を続けていくことができます。

資産運用の目標は、自分の人生の夢や目標とリンクしています。最初にお金の目標を設定するのではなく、自分がどのような人生を実現したいかを明確にし、それを実現するために必要なお金をどうやって手に入れるか考えていく。これが私の考える正しい手順です。

年末年始は資産運用のやり方を考えるチャンス

年末年始は1年を振り返り、2022年以降の目標設定をするのに最適な時期です。まとまった時間が取れる人が多く、新年から心機一転して新しいことを始めるにあたり区切りの良いタイミングです。

ぜひ2021年の資産運用の振り返りと、これからの資産運用の方法に関して、考える時間を割いて向き合ってみてください。