私たちの周りには、お金を得る手段として仕事をする人がたくさんいますが、それが本当に幸せに繋がっているか実感できない人も多いのです。
また、お金と幸福度の相関関係を調べる実験も数多く行われています。
今回は、お金と幸せの調査データを参考に、「たくさんのお金を持つことが幸せに繋がるか」ということを考えていきます。
最後までお読みいただくことによって、お金だけでは幸せを得られないということがお分かりいただけるかと思います。
そこで、お金を使って真の幸せを得る方法についてもお伝えしていきます。
お金と幸せの調査データ 「お金持ち=幸福」とは限らない
何でも手に入れたお金持ち
お金と幸せがどのような関係があるのか、現在までさまざまな調査が行われてきました。
代表的な調査としては、2008年にアメリカで行われた「年収と幸福度との相関性調査」があります。
プリンストン大学のアンガス・ディートン教授らは、アメリカ国民が受け取る年収によって幸福度がどのように変化するのかを調べています。
その結果、日本円にして年収約800万円までは徐々に幸福度が上がることが分かりました。
しかし、年収が800万円をオーバーすると、それ以上は幸福度がほとんど上がらないことも分かっています。
つまり、人はある程度お金が増えると幸せを感じるが、お金が増えすぎても幸せが比例して大きくなることはない、ということです。
たとえば、私たちがよくイメージする「お金持ちの姿」を想像してください。
高級なマンションに住み、毎日贅沢な食事をとる。
確かに最初のころは、こうした贅沢なお金の使い方に幸せを感じることもあるでしょう。
しかし、こうした生活はいつかは飽きるため、日が経つに連れて幸福度が減少していくはずです。
幸せはお金ではなく他者によってもたらされる
幸せは収入の多さに比例しない
ここまで、お金と幸福感の相関関係についてお伝えしてきました。
生活が苦しいと感じるほどお金がなければ確かに幸せを感じる余裕はありません。
しかし、お金を稼げば稼ぐほど幸福度も上昇していくかといえば、幸せは収入の多さに比例しないということが分かりました。
上記をしっかりと理解していれば、これから先お金をどのように貯め、そしてお金をどのように使っていくか、その計画を立てていくことができます。
たとえば、高級マンションに住み、美味しいものを食べ、好きな洋服を買う。
こうしたものはすべて自分の欲望を満たすためのお金の使い方なので、飽きがくれば幸福感は減少していきます。
徐々に幸福感を感じにくくなるのは、自分のためだけにお金を消費してしまっているからです。
そこで、「誰かとともに幸せを実感する」ことが必要になります。
たとえば、誰かとともに住む、誰かとともに食を楽しみ、誰かとともに洋服を買いに行く。
こうして他者との繋がりができることで、たとえ贅沢な暮らしをしなくても幸福を実感できる方も多いでしょう。
幸せになるためのお金の使い方は「感謝への投資」
ありがとうが一番の幸福につながる
人が本当に幸せを感じるのは、誰かに「ありがとう」と言われたときではないでしょうか。
そして、他者から「ありがとう」という言葉を受け取るには、自分から他者に貢献をしなければなりません。
確かにお金は、一時の幸福感を得るには最適な手段です。
しかし、お金だけでは、「誰かと繋がっていると感じること」、「他者への貢献を通じて感謝の気持ちを受け取ること」という本当の幸せには結び付かないといえます。
だからこそ、お金を貯めたり使ったりするときは、他者から感謝されることを意識してみてはいかがでしょうか。
たとえば、友人が経営している飲食店に足を運ぶ、これだけでも相手から感謝してもらうことができます。
ほかにも、自分の仕事の質を向上させるため、知識や技術の習得にお金をかけるのも良いでしょう。
仕事は必ず「お客様」がいて成り立つものなので、仕事の質を高めることは顧客の満足度に大きく影響します。
もし、お金儲けを目的に仕事を選んでいるとしたら、いつかは高い収入を得て幸せを実感できる日が来るかもしれません。
しかし、冒頭で紹介した通り、どれだけ収入を上昇させ続けたとしても、その先は幸福感を感じにくくなってしまうため、いつかは必ずお金儲けで仕事を選ぶことに限界が来るでしょう。
そこで少しだけ視点を変え、誰かから「ありがとう」と言われたときの幸福感をイメージしてみてください。