FXでは参加者の9割が負けているというデータがあります。この割合をそのまま見れば、「FXで勝つことは大変だ」「FXは分が悪いギャンブルだ」という結論になるわけですが、見方を変えると非常に希望があるともいえます。
あまりにも負けている人が多いFX
9割のFX参加者が資産を減らしているわけですが、これこそがFXがギャンブルではないことの証明です。
なぜなら、FXの世界では究極的には上がるか下がるかしかありませんので、売買を完全にランダムに行えば、利益=損失となるはずです。実際にはここから手数料やスプレッドがFX会社の利益として差し引かれるわけですが、それにしても利益と損失は1:1に近い割合になるはずです。少なくとも、1:9のような極端な割合にはならないでしょう。
ほぼ全員FXで負ける原因は「経験の不足」
蓄積された経験値が勝敗を分ける
サッカー部員と野球部員でサッカーの試合をやったら、確実にサッカー部が勝ちます。当然ですよね。これはFXも同じで、トレード歴半年未満のビギナー100人と、トレード歴10年以上の経験豊富なトレーダー100人を集め、1か月間の平均収支を比べれば、当然後者に軍配が上がります。つまり負け組90%の大半は経験の浅い初心者トレーダーで、勝ち組の10%は百戦錬磨の強者トレーダーということになります。
トレーダー自身の性格やトレードの環境、軍資金の多寡といった要素ももちろん重要ですが、一番差がつくのは経験による部分です。
今すぐ大金が儲かると思ってFXに参入する人はそのギャップにやられる
それではなぜ、トレーダーのほとんどが初心者なのか。それは勝てるようになる前にやめてしまうからです。そしてかわりにまた初心者が参入してきます。FX業界は、ずっと残っている1割の経験者と、常に入れ替わっている9割の初心者で構成されていることになります。
では、半年や1年で負けっぱなしのままやめてしまうトレーダーが相次ぐのはなぜか。これはイメージと現実のギャップによるものだと思います。知り合いにトレーダーがいれば別だが、ほとんどの場合は周りにFXをやっている人などいなく、ネット上の情報や書籍を経由してFXに興味を持つはずです。これらでよく見るうたい文句といえば、
など、とにかく過激なものが多いです。数億円とまではいかないものの、割と簡単に大金を稼げるイメージを持ってFXを始めた人は、どうしてもギャンブル的なトレードに行きがちで、当然その結果として早い段階で退場します。またそういったギャンブルトレードに流されない堅実な人でも、数年は稼げず負ける覚悟を持って始める人はかなり少ないはずです。多くの人が2~3年でやめてしまっている現実がここにあるわけです。
唯一の攻略法は「退場しない」こと
FX(特に裁量トレード)で勝ち組になるには、世間一般でイメージされているよりずっと難しく、なおかつ時間もかかります。
このあたりは、どんな本にも書いてあることですが、頭では理解できても、経験の浅いうちはどうしてもやってしまうもの。
失敗してもやり直す資金があれば全然問題ないし、むしろ失敗することでしか成長できません。自分もいくつも失敗はしました。大敗を減らしながら、小さな勝ちを積み上げていくことによって、一歩ずつ勝ち組へとシフトしていく。
よく「FXの世界に聖杯(完全な必勝法のこと)などない」といわれますが、もしあるとすればそれは手法なんかではなく、経験を積み重ねるための唯一の武器である、「退場しないこと」です。
技術や知識、経験の蓄積で勝ち組側へ
売買を完全にランダムに行うということは、技術介入が一切ない宝くじをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。宝くじには、験担ぎ的な要素はありますが、それらに当選確率を高める科学的根拠はなく、実際のところは誰がどう買っても差がつきません。運のみで結果が決まる世界です。
ですが、FXは宝くじとは違いますよね。技術介入の要素が非常に大きいため、技術や知識により成績は大きく変わります。この技術や知識の差が、少数の勝者と多数の敗者を分けている要因になっています。
完全ランダムの投資と比べて、実際のFXの世界ではあまりに負けている人が多すぎます。が、裏を返せば、何割かの投資家は技術や知識を磨くことで、勝ち組側へ入ることができる可能性があるともいえます。これこそFXに見える希望です。
なお、一切の努力やトレーニングの余地がなく、主催者側の取り分が50%を超えている宝くじこそ、FXなどよりずっと純粋なギャンブルであるといえます。クリーンなイメージが宝くじにはありますが、プレイヤーのあらゆる努力が無意味で、期待値的には誰もが平等に負けるシステムになっています。