結論からお伝えすると、法律上では、株式投資は副業に該当しません。
就労規則で禁止されていなければ、副業NGの会社に勤めていても、株取引をしてOKです。
しかし、「会社に株のことがバレるのはちょっと…」「本当に副業に該当しないのか不安…」といったように、気になる点も多々あると思います。
そこで今回は、株が副業にならない理由、会社にバレずに株取引をする方法をしっかりと紹介します。
株式投資が副業にならない理由
株の売買によって得る利益は、あくまでも売却による差額益で、報酬ではないため、副業とはみなされません。
株を買う行為は、現金を株という金融商品に替えて保有することです。
そして、株を売る行為は、株の買い手に株を譲渡することです。
このように、株式投資は「株の売買」という行為に対して、誰かから報酬を得ているわけではないので、副業に該当しないのです。
株をやってはいけない職業はある?
法律上、株をやってはいけない職業はありません。
たとえ公務員や証券会社勤務であっても、取引自体を禁止されているわけではありません。
※証券会社勤務の場合、6ヶ月程度は売却できないなどのルールはあります。
ただし、会社によっては、社内規定で株式投資を禁止している部署があるケースもあります。
不安な場合は、自社の法務関係の部署に確認しておきましょう。
また、社内規定で禁止されていないからといって、インサイダー情報を用いて株を売買すると、罰せられます。
自社だけでなく、取引先の非公開の情報を得られる部門にいる人は、注意しましょう。
副業で株式投資をすると会社にバレる?
副業にあたらないとはいえ、サラリーマンで株式投資を行う人の中には、会社にバレずに行いたい人も多いでしょう。
以下のいずれかの方法をとれば、株式投資を行っていることが会社にバレることはありません。
株式投資が会社にバレる原因は、「住民税」です。
住民税は、前年度の収入によって納税額が決まるので、株式投資で利益が出ていると、その分納税額も高くなります。
上の2つのいずれかの対応をすれば、住民税によって会社にバレることはありません。
しかし、上の対応を徹底していても会社にバレる人があります。
それは、上司や同僚など、会社の人にうっかり話してしまう人です。
どんなに気心の知れた相手であっても、職場の人に株をやっていることを言わないということも徹底しましょう。
①口座開設の際に「源泉徴収ありの特定口座」を選ぶ
証券会社で口座を開設する際に「源泉徴収ありの特定口座」を選択すれば、確定申告が不要になります。
株の利益に関する納税対応を証券会社が代行してくれるので、会社にバレることはありません。
利益を得ると、そこから納税分が直接差し引かれるので、自分自身が確定申告する必要もありません。
②確定申告の際に「普通徴収」にチェックを入れる
住民税の支払いには、給与から控除して会社が市町村に納付する「特別徴収」と、自分で直接納付する「普通徴収」があります。
そこで、確定申告の際には「普通徴収」にチェックを入れ、自分で直接納税するようにしましょう。
ただし、なぜ普通徴収にしているのかと会社に怪しまれることもあるので、できれば「源泉徴収ありの特定口座」を使うのがおすすめです。
③職場の人に株をやっていることを言わない
株式投資をしていても、誰かに見られない限り、知られることはありませんが、職場の人に不用意な発言をすることで、会社にバレてしまうケースがあります。
誰か一人に「株を始めた」と言っただけで、その人から他の人に伝わることもあります。
また、話を誰かに聞かれたために、会社にバレてしまったというケースもあるでしょう。
特に、株式投資をやらない方が良いと思われる職場では、気を付けてください。
①デイトレは避ける
取引時間中に常に株価をチェックできない人には、デイトレはおすすめしません。
デイトレは、目まぐるしく変化する株価を追って行うものです。
昼間に本業があると、株価を四六時中チェックすることができず、取引のタイミングを逃してしまいがちです。
副業として株式投資を始める人には、頻繁に売買しないで、ゆっくりとタイミングを待つことができる、次の投資スタイルがおすすめです。
②指値注文を使う
注文する際は、売買の価格を指定する「指値注文」を利用しましょう。
指値注文は、市場が開いている時間に相場を見ながら取引するのが難しい会社員でも、希望通りの価格で売買できるのでおすすめです。
また、指値注文は、指定した株価よりも安く買えたり、高く売れたりすることもあり、自分にとって有利な方向で約定します。
なお、注文を急いで成立させたい時に、相場を見ながら使うことが多い「成行注文」では、約定が優先になるので、予想よりも高く買ったり、安く売ったりするような、不利な方向で約定することがあります。
指値注文であれば、注文してから約定するまで放置していても安心なのです。
④明確なトレードルールを作り、しっかり守る
株式投資では、トレードルールを守ることが必須であり、副業の場合も同じです。
むしろ、常に相場を見続けることができない会社員は、決めたトレードルールを守ることが、特に重要といえるでしょう。
ただし、トレードルールはただ決めればいい、というものではありません。
どういう意味があるルールなのかをきちんと考えて、それを人に説明できるくらいのものが必要となります。
株だけではなく、他の投資商品においても、なかなか利益が上がらない投資家は、トレードルールが曖昧なケースが非常に多いです。
トレードルールは、厳密に守ることを徹底すれば、副業でも株式投資で利益を出せるようになるでしょう。
⑤日経平均やTOPIXに連動する「ETF」もおすすめ
株価チャートを見る際は、必ずと言っていいほど日経平均株価もチェックするでしょう。
また、同時にTOPIXもチェックする人も多いと思います。
日経平均株価見て、毎日のように「このあたりで上昇するはず」「ここでいったん下がるはず」などの予想を立てている人は、日経平均株価に連動する「ETF」がおすすめです。
また、東証一部に上場している銘柄すべてを取引したい人は、TOPIX連動のETFがおすすめです。
どちらのETFも、少額からの投資で分散投資ができ、値動きもわかりやすいのが特徴です。
限られた時間しかなくても、チャート分析や今後の予想がしやすいというメリットがあります。
まとめ
株式投資が副業に該当することはありません。
副業になると思って株式投資を諦めていたサラリーマンも、安心して取引を始められると思います。
それでも、できれば会社にバレたくない人は、住民税の対応や、株を始めたことを口外しないことを徹底しましょう。