今回はあるブログでの資産10億円築いた会社員が早期リタイアしない理由を見て、面白く感じ抜粋しました。
「投資の時間」を確保しやすい
サラリーマンと不動産投資家の二足のわらじを履き続けるほうがFIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early:経済的自立と早期リタイア)よりも賢明な選択だ。
理由は3つあります。
「サラリーマンだからこそ安定的に暮らせる」
会社はルールや仕組みの固まりです。それがあるから、会社員は規則正しい生活が送れます。たとえば、土曜・日曜に休み、月曜になったら時間どおりに出勤して働くという一定のリズムがあります。個人で仕事をしていたらそうはいきません。収入が発生する日も金額も、労働が発生する時間も不規則になりがちです。
つまり、一定リズムで暮らす会社員だからこそ、その中に、自分の意思で一定の「投資の時間」を確保できるのです。平日の勤務時間以外、休みの土日を存分に活用できるのは会社員の大きな強みだと思います。
また、「自分の代わりがいる」のも会社員ならでは強みです。個人で仕事をしていたら、自分が働けなくなることは即収入を失うことを意味します。会社員の場合、そうはなりません。極端な話、会社員は自分が仕事をしなくても給与がもらえるので困らないのです。
上司が「おまえの代わりなんていくらでもいるんだ」などと部下に言ったら、いかにもパワハラですが、そう言えるくらい組織がしっかりしている会社のほうが、じつは頼りになります。会社員としての収入があるからこそ、気持ちに余裕を持って不動産投資にも臨めるわけです。
「既存の人脈」も会社員の強みです。若手時代、異業種交流会によく行きましたが、3分の2は個人で仕事をしている人たちでした。仕事につながる人脈を一からつくらなければならず、必死なのです。会社員には、すでに社内外に会社の一員として築いたネットワークがあるので、そうした人脈づくりには、それほど苦労しないでしょう。
「サラリーマンは全責任を負わなくてもいい」
不動産投資で成功したおかげで、普通の会社員では会えないような経営者が集まる食事会や交流会に参加する機会が増えました。いわゆる金回りのいい中小企業の経営者が多いのですが、彼らといろいろ話してみて、「この人たちは自分が倒れたらおしまいなんだな」ということがよくわかりました。
会社員は何かあったら会社が守ってくれるし、会社の仲間が支えてくれます。その意味では、経営者よりも従業員のほうが圧倒的に「気楽」と言えるでしょうし、だからこそ投資に充てる「余白の時間」をつくりやすいとも言えます。
経営は結果責任、現場は執行責任です。たとえば、経営者は現場に売上目標の達成など数字を求めますが、達成された数字はあくまで経営の責任です。つまり、現場は自分のやるべき仕事をやるだけでいい。それで数字が達成できなければ、それは経営者の判断ミスと割り切ることができるわけです。
もちろん、言われたことをただこなしていればいいという話ではありません。執行責任を全力で果たす過程で、次の成果や自分の成長につながる学びを得ることがとても大事だと思います。
私も若手時代、たずさわった新規プロジェクトの営業ノルマが達成できずにストレスを感じた際には、全力を尽くして執行責任を果たしたのだから、そこから先は関係ないと開き直りました。そして同時に、なぜこのプロジェクトが失敗したのかを考え、「出口戦略」、つまり、最終の成功イメージを持つことの重要性を学びました。その後、管理職となり、出口戦略の仮説を念頭にプロジェクトを組成する意識を持って仕事に当たった結果、社内アワードを受賞する新規プロジェクトをリードすることができたのです。
中小企業経営者や個人事業主ならではの苦労
ちなみに私は、不動産投資で築いた資産の一部を「フランチャイズ・ビジネス」に再投資しています。妻が社長で私が株主という株式会社なので、私も経営の様子は把握しています。それで実感したのは、従業員に関する事柄がとくに大変ということ。採用や育成、配置、評価、キャリアの出口づくりなど、既存の会社なら当たり前にある仕組みですが、自力で一から設計するのがいかに大変かということでした。
また、このフランチャイズ・ビジネスでは、必要な備品やマニュアルはある程度本部から提供されたものの、税務や労務、法務、マーケティングに関しては、自分たちで書類などを用意しなければなりませんでした。
たとえば、従業員の雇用契約書は自分たちで作成する必要がありました。私も妻も雇用契約書をつくったことがなかったので、不動産投資のチームメンバーであるコンサルタントに社会保険労務士を紹介してもらい、必要書類を作成してもらいました。もちろん、ネットで検索すれば社労士事務所はたくさん出てきます。アクセスするだけなら簡単ですが、そこが当たりか外れかはまったくわかりません。なので、信頼できる人に紹介してもらったわけです。社労士だけでなく、税理士や弁護士も紹介してもらいました。
結局、中小企業経営者や個人事業主は紹介でつながっています。そして紹介されるたびに、自分たちのビジネスについて、創業の経緯やどんな事業内容でどんなサービスなのかなど、いちいち説明しなければなりません。つまり、フランチャイズ・ビジネスとはいえ、実際にスタートするまでにそうとうな時間と労力がかかるわけです。
こういう苦労を経験すると、身近な人材をすぐ活用できる会社員のありがたみが身に染みます。あらためて、会社の人脈を使わないともったいないと感じました。幸い資金繰りには困っていないし、さまざまな説明が必要な株主もいないので妻も続けられていますが、そういう不安や苦労があったらやはり続けられないと思います。
サラリーマンが持つ最大の武器
「サラリーマンは『信用』を得やすい」
先日、家族でよく行くショッピングモールの駐車場で、クレジットカードの勧誘を受けました。いま入会すると年会費無料で、駐車料金がいつでも2時間無料になる、すぐに発行できるというので、私も妻もその場で申し込みをしました。
2時間後、専用カウンターに受け取りに行くと、私のカードはできていたのですが、妻のカードはありませんでした。妻に支払いの延滞履歴などはないものの、小さな会社の社長という肩書きでは審査が通らなかったのです。
私は新入社員時代からクレジットカードの審査に落ちたことは一度もないので、日本の金融機関は個人の年収よりも、所属する会社を信用するということなのでしょう。成功している不動産投資家の中にも、脱サラしたとたん、クレジットカードがつくれなくなったと話す人が少なくありません。
また、会社が大きければ大きいほど「○○社のだれそれ」と呼ばれて、初対面でも「今度、××さんを紹介するよ」などと信用してもらえることが多いのです。
会社の信用は融資の面など、不動産投資を通じた資産形成で最大の武器となります。不動産業者も、「サラリーマン投資家」の予備軍が同僚にいると話すと特別扱いしてくれるわけです。