2026年、資産運用は「株だけ」では難しい?
金利上昇・円安・インフレ時代に考えたい新しい資産配分
2026年の金融市場は、これまでの資産運用の常識が変わりつつあります。
これまで日本の個人投資家にとっては、「低金利の日本で現金を持っているより、米国株や世界株式などのリスク資産へ長期投資する」という考え方が有力でした。
しかし、2026年9月に入り、市場環境は大きく変化しています。
日本の10年国債利回りは9月1日に3%まで上昇し、1996年以来の水準となりました。米国10年国債利回りも4.78%まで上昇しています。さらに原油価格の上昇や地政学的緊張によってインフレへの警戒感も強まっています。
このような環境では、「株式だけに資産を集中させる」という運用方法について、改めて考える必要がありそうです。
日本でも「金利」が資産運用の重要テーマに
日本では長い間、低金利が当たり前でした。
銀行に預金していても資産がほとんど増えないため、株式や投資信託などへの資金移動が進んできました。
ところが、現在は日本の金利環境そのものが変化しています。
日銀は2026年6月に政策金利を1%まで引き上げており、9月にはさらなる利上げへの期待が高まっています。ロイターのエコノミスト調査では、9月に政策金利を1.25%へ引き上げるとの見方も強まっています。
金利上昇は、住宅ローンや企業の資金調達コストを押し上げる一方、預金や債券など「金利を受け取る資産」にとっては追い風になります。
つまり、これからの日本では「現金は何も生まない」という過去の常識が、少しずつ変わっていく可能性があります。
円安だからこそ「為替リスク」を考える
もう一つ重要なのが円相場です。
9月1日時点ではドル円が160円近辺で推移しており、円安による輸入物価の上昇が日本のインフレにも影響しています。
海外株式や米国債などを保有している日本人投資家にとって、円安は円換算の資産価値を押し上げる要因になります。
しかし、これは必ずしも永続するとは限りません。
例えば、1ドル160円のときに米ドル資産を購入し、その後1ドル140円まで円高が進めば、ドル資産そのものの価格が変わらなくても、円換算では評価額が下がります。
そのため、海外資産への投資では「資産価格」だけでなく「為替」も考える必要があります。
株式・債券・現金をどう組み合わせるか
資産運用で重要なのは、「どの金融商品が一番儲かるか」だけではありません。
むしろ重要なのは、「異なる値動きをする資産をどのように組み合わせるか」です。
例えば、
・成長を狙う → 国内外の株式
・利息収入を狙う → 債券
・価格変動への備え → 現金
・インフレへの備え → 金などの実物資産
・高い成長性を狙う → 暗号資産など
というように、それぞれの役割を考えることができます。
もちろん、暗号資産などは価格変動が非常に大きいため、資産全体に占める割合を慎重に考える必要があります。
重要なのは、「どれか一つに賭ける」のではなく、自分の目的やリスク許容度に応じて資産を組み合わせることです。
「分散投資=安全」ではない
ここで注意したいのが、分散投資をすれば必ず安全になるわけではないということです。
例えば、米国株、日本株、暗号資産を保有していても、世界的にリスク回避が進めば、複数の資産が同時に下落する可能性があります。
また、債券も金利が上昇すると価格が下落する場合があります。
つまり、「何種類持っているか」ではなく、「どのような値動きをする資産を組み合わせているか」が重要なのです。
2026年のように金利、為替、インフレ、地政学リスクが同時に動く環境では、ポートフォリオ全体を定期的に確認することが重要になります。
AI時代だからこそ「情報に流されない」
現在はAIを利用すれば、金融ニュースや企業情報を短時間で整理できます。
これは個人投資家にとって大きなメリットです。
一方で、AIやSNSから得られる情報をそのまま投資判断に使うことには注意が必要です。
「この銘柄は必ず上がる」
「この投資なら確実に儲かる」
「今買わないと乗り遅れる」
といった情報には特に警戒する必要があります。
投資では、利益を狙うことと同じくらい「大きな損失を避けること」が重要だからです。
2026年の資産運用で考えたいこと
現在の金融市場を見ると、これからの資産運用では「株式を買って長期保有する」だけではなく、金利、為替、インフレ、債券、現金、そしてデジタル資産まで含めて考える必要性が高まっています。
特に日本の長期金利が3%まで上昇したことは、資産運用を考えるうえで大きな意味を持ちます。
これまで低金利を前提としていた資産配分を、そのまま維持する必要があるとは限りません。
大切なのは、「今、何が上がっているか」だけを見るのではなく、
「今後、どのような金融環境になる可能性があるのか」
を考えることです。
2026年は、資産運用を一度リセットして、自分のポートフォリオを見直す良いタイミングなのかもしれません。
金融市場は常に変化します。
だからこそ、一つの投資方法に固執するのではなく、金利・為替・株式・債券・実物資産・デジタル資産など、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った「資産運用の設計図」を作ることが、これからますます重要になっていくでしょう。
※本記事は金融市場に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資には価格変動などのリスクがあります。最終的な投資判断は、ご自身の責任と判断で行ってください。




