海外の金融口座の税金ってどうなるの?

海外の金融口座の税金ってどうなるの?

 みなさん、こんにちは。

 

 海外の金融口座に資産を預金している方がいらっしゃるかと思いますが、その場合の税金がどうなるのかはご存知でしょうか。

 

 「海外の口座だから日本では課税されないでしょ?」

 「そもそも確定申告しなくても、税務局にはバレるわけない」

 そう思っている方も少なくないのではないでしょうか。

 

 今回は、海外の金融口座の税金はどうなっているのかについて、ご説明します。

 

海外の預金利息の無申告に注意

 海外の金融口座の利息(利子所得)にも日本の税金がかかることはご存知でしょうか。

 

 海外の銀行口座などで税金が源泉徴収されていると、日本では所得税がかからないと思いがちですが、実は日本でも所得税がかかる場合があるので注意が必要です。

 

 もし、給与所得者が海外に金融口座を持っていて、利息が20万円以下の場合は所得税はかかりません。(ただし、20万円以下でも医療費控除やふるさと納税の寄附金控除を利用する場合は申告が必要)

 

 しかしオーストラリアなどの金利が高い国では、利息が20万円を超えるケースも少なくありません。気づかないうちに国税利息の無申告となっている場合があるので、海外の金融口座を持っている方は確認をしましょう。

 

海外の利息は総合課税として課税対象

 海外の金融口座に預金した利息に関しては、所得税法上の利子所得として総合課税の対象になります。

 

 総合課税とは、対象の全ての所得を合算して、その合計金額に対して課税する方法です。総合課税の対象は、給与所得、不動産所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得、譲渡所得、事業所得の8種類です。そのため、その人の所得金額の大きさによって海外の利子に対する税率は変動します。

 

 日本の金融口座に預金している場合は、口座に入金される前に所得税と住民税が控除されているため、申告する必要はありません。

 

 しかし、海外の金融機関からは源泉徴収することが出来ないため、別途、日本の税務署に対して利子所得の総合課税として申告しなくてはいけません。

 

 海外の金融口座の利子を確定申告する際は、円に換金するしないに関わらず、支払われた時点で所得とみなし、支払日の為替レートで換算して、他の所得と合算して計算します。海外の所得計算の為替レートは、原則TTM(電信仲値相場)を利用します。

 

外国税額控除を忘れずに利用しましょう

 海外に税金を払って、尚且つ日本にも税金を支払わなくてはいけないため、二重課税となってしまいます。

 

 しかし、外国税額控除を利用することで、海外で支払った税金の全額もしくは一部を日本で支払う税額から控除することができます。

 そのため、確定申告する際は必ず外国税額控除を適用するようにしましょう。適用忘れはかなり損をしてしまいます。

 

 日本居住者は、全世界所得課税(全世界で得た所得が課税される)が適用され、海外で課税された税金に関しては外国税額控除制度によって差し引かれる仕組みとなっています。

 

日本に送金したり、持ち込まなくても課税対象

 多くの方が、米ドル、オーストラリアドル、ユーロなどの海外通貨を日本円に換金したり、日本に送金しなければ課税されないと思っていますが、前述した通り海外の通貨を日本円に換金しなくても課税の対象となります。

 

 金利の高さから海外金融口座に資産を分離している方や、転勤やお子さんの留学等で海外金融口座に資産をお持ちの方も多いかと思います。注意する点として、利息を得た時点で利子所得がかかることを覚えておきましょう。

 

 なお、利息として得た外貨を日本円に換金した際に、為替レートの変化で円としての金額が増加している時(為替差益)は、その増加額は雑所得として課税されます。

 

税務署は海外金融口座の情報を把握しています!

金融口座に関する自動的情報交換制度(CRS)

 金融口座に関する自動的情報交換制度は、海外の金融口座を利用した国際的な脱税及び租税回避に対処する目的で制定されました。これは、非住居者の持つ金融口座情報(氏名や住所、金融機関、残高等)を各国の税務当局間で互いに提供し合うものです。

 

つまり、日本の居住者が海外金融口座等を持っている場合、その金融口座の情報が、海外の税務当局から日本の税務当局へ提供される仕組みになっています。

 

 この制度は、平成30年に1回目の情報交換が行われ、既に数十万件に及ぶ金融口座情報が提供されているようです。

 

自動的情報交換制度の影響

 以前から、国外財産調査制度が設けられており、総額5,000万円を超える国外資産を持っている場合は、自己申告する必要がありました。

 

 一方、CRSでは金額基準が定められていないため、全ての金融口座情報が交換対象になっています。そのため課税当局は、国外の資産・利子・配当等の情報をより簡単に把握することができるようになります。

 

対象国

 CRSは、全ての国ではなく、加入している約100ヵ国が対象となっています。日本に近い国では、香港やシンガポール、オーストラリアやカナダ等です。

 一方で、アメリカやベトナム、タイ等は未加入国なので対象外となっています。アメリカでは、FATCA制度(アメリカ人を対象にした国外財産報告制度)は導入していますが、CRSは未加入です。そのため、日本居住者がアメリカの金融口座を保有していても、CRSの対象にはなりません。

 

 しかし、日本から100万円を超える送金をしたり、アメリカ国内で売買益が得られた場合などは、アメリカも加わっている租税条約等に基づいて、個別に情報を得ることが可能です。

 

まとめ

 今回は、海外の金融口座に税金がかかるのかについてお話しました。誰でも税金を支払うことには、少々躊躇いがあるものですよね。しかし、課税対象となった場合は、法で定められている以上確定申告をしなくてはいけません。その際は、二重課税で税金が重くならないように、外国税額控除を忘れずに申請するようにしましょう。

 

 また、海外の金融口座なら日本の税務局にバレないというのはすでに過去のことですので、海外の金融口座であっても情報が把握されるようになっていることを思いに留めておきましょう。

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