初心者がEAを選ぶポイント8つ|前編

初心者がEAを選ぶポイント8つ|前編

 みなさん、こんにちは。

 以前、EAって何?pipsって何?FX自動売買|基礎知識編で、EAについて簡単にお話しました。

 EAとは、エキスパート・アドバイザーの略で、FAトレードを自動で行ってくれるプログラムのことです。FA自動売買はシストレ(システムトレード)と呼ばれます。

 FXでは、四六時中パソコンの前にかじり付いてないと大事な局面を逃して損をしてしまうこともあります。これがシストレだと、ロボットが24時間自動でトレードを行ってくれるので、日中働いている時や夜中眠っている時でも売買ができ、うまく利用できれば非常に便利です。

 このシストレを行うために必要なソフトウェアがEAですが、このEAは世界中の人が開発することができるため数が無数にあり、一体どれを選べばいいのか分かりません。

 そこで今回は「EAの選ぶポイント8つ」を前編後編に分けてお話しますので、選ぶ際の参考にしてください。

 

EAを選ぶポイントとは?

バックテストの期間は、2007年以降から直近までの10年間以上を見る

 

 2007年から問題となったサブプライムショック以降から直近まで10年以上のバックテストの結果を確認することが大事です。

なぜなら、サブプライムショックを契機に、2008年にはリーマンショックが起こり、世界同時株安という大パニックで世界経済に大打撃を与えるという大きな出来事があったからです。

 これは、リーマンブラザーズという証券会社が、当時の不動産バブルを利用した低所得者向けのサブプライムローンを組み、さらにはそれを債権化して世界中に販売し、最終的にバブルが弾け倒産したことで起こりました。

 そのため、2007年・2008年は、FXにとって大波乱の年でした。その後にも、イギリスのEU離脱ショックや、中国株暴落のチャイナショック、アメリカ大統領選のトランプショック、2018年のNYダウ最大暴落など、大きな出来事が起こっています。

 

 つまり、これらの大きなショックをきちんと乗り越えてきているEAであるかが、今後も安定して利益が出せるEAかどうかを見極めるポイントになります。

 バックテスト提供者の中には、調子のいい年だけデータを切り取って提示してくる人もいるため、その時点で有料・無料問わず信用できないEAということを念頭に置いておきましょう。

 また、大きなショックによるトレンド相場とは逆に、何も目立った混乱がなくレンジ相場が続く時期もあります。

 どちらの相場でも稼ぐことができ、大きな損失が無いEAが求められます。そのため、最低限2007年以降から直近まで10年以上のバックテストのデータを検証することが必要になります。

プロフィットファクター(PF)が1.30以上

 

 プロフィットファクター(総利益額と総損失額の比)が全てでは無いですが、非常に重要な項目です。

 見方としては、プロフィットファクターが1.00の時は、総利益額と総損失額が同じで、1.01以上であれば利益が大きく、0.99以下であれば損失の方が大きいということになります。しかし、1.01以上あっても、1.10や1.20程度だとすぐにマイナスになってしまいます。

 そのため、一般的に良いEAと言われるものは、1.30以上となっています。2.00以上あるEAは、相当優秀な部類に入ると思ってください。

 最近は、無料のものでも優秀なEAもあります。選ぶ際は、最低でもプロフィットファクターが1.30以上、できれば1.50以上のものを探しましょう。

最大ドローダウンが小さい

 

 最大ドローダウンは、EAが運用している期間中に、最大資産から最も大きく下落した時の損失金額が、最高証拠金の何%だったのかを表します。つまり、大負けした時にどれくらいのマイナスになるのかの指標になり、これも重要な項目となります。

 基本的な考え方としては、最大ドローダウンの割合を大きくとるほどリスク(振れ幅)も大きくなり、その分リターンが期待できる戦略となります。逆に、最大ドローダウンを低くとると、リターンは少なくなるもののリスクを抑えた戦略となります。

 例えば1年で資産が10倍になるような戦略だったとしても、最大ドローダウンが60%であれば実際の運用では使えません。なぜなら、為替相場は常に変動しており、想定以上の変化があるからです。そのため、最大ドローダウンはテスト値の2~3倍に更新されるものだと理解しておきましょう。

 最大ドローダウンが60%だと120%となる可能性があり、もし実際に落ち込んだ場合は資産が尽きてしまいます。

 したがって、現実的な最大ドローダウンとしては上限5~10%程度が良いかと思います。仮に2倍になったとしても資産の20%程度になるので、その後も運用していくことが可能です。

 また、%値でなく、最大ドローダウンの金額を絶対値で見るのもお勧めです。

 なぜかというと、MT4の最大ドローダウンの計算は「口座残高に対して何%になるか」なので、運用年数が長く利益が積み上がっている時点だと%値が小さくなるためです。

 そのため、最大ドローダウン10%と見るより「最大で20万円失っている」と見た方がイメージしやすい方は、絶対値で見ると良いかと思います。

損益グラフがキレイな右肩上がり

 

 損益グラフは、EAのバックテストの結果を表したグラフなので、グラフの上がり下がり(好調機と不調期)が激しいEAより、きれいに右肩上がりのEAの方が安定して利益を出していることを意味しています。そのため、きれいに右肩上がりの損益グラフのEAを選びましょう。

まとめ

 今回は、EAを選ぶポイント8つの前編として、4つのポイントについてお話しました。EAは多くの人が開発しており、無料なものから有料なものまで様々です。初心者の方は、一体どれを選んだらいいか分からないという方がほとんどかと思いますので、選ぶポイントを参考にバックテストを確認してください。