資産運用のメリット・デメリット|資産運用の基本(3)

資産運用の基本(3)「資産運用のメリット・デメリット」

 みなさん、こんにちは。

「運用を始める前に知っておくべき3項目|資産運用の基本(2)」で、資産運用と資産形成・投資と投機の違いや、資産運用を始める前に知っておきたいことについてお話ししました。

 資産運用はこれからの時代に必要ですが、何事にも良い面・悪い面はあります。それを理解した上で「自分はどうするのか」を考えることが一番大切なので、今回は資産運用におけるメリット・デメリットについて学んでいきましょう。

資産運用するメリット

1.【お金がお金を増やす仕組み作り】で不労所得を得られる

 資産運用とはお金がお金を増やす仕組み作りなので、上手に運用できれば自分は働かなくても給与以外の収入を得られるようになります。いわゆる不労所得です。

 自分で働いて得られる収入には限度があり、老後も同じように働けるとは限りません。しかも、近年は年金制度に対する不安もあり、先が見えない不透明な時代です。そのため、自分の労働収入以外の収入を確保しておくと良いでしょう。

2.インフレによる資産減少を抑えられる

 長期間の資産運用は、インフレで物価上昇が続いた場合に、資産の減少を抑えることができます。

 例えば、タンス預金が100万円あったとします。資産運用すれば利息が付きますが、タンス預金にはもちろん利息が付きません。日本銀行が目標として掲げる消費者物価の上昇率(インフレ率)は年2%としています。インフレが起きると、現金の価値は下がります。

 もし今後、毎年2%インフレ率が上昇すると、今あるタンス預金100万円の価値は、1年後に98万円、10年後には82万円となります。

 タンス預金で現金は現金のままなので増えることはありませんが、株式や投資信託、不動産などはその時の経済状況によって価値が変動します。

 そのため、仮に年2%インフレ率が上昇したとしても、資産運用で2%以上の利回りを維持できれば、資産を増やしていくことが可能です。

3.老後資金を作れる

 日本は長寿国で今や「人生100年時代」と言われるほどになりました。

しかし、少子高齢社会となった今、年金制度に期待はできません。長い老後を有意義に過ごすための老後資金を作れることはメリットになります。

4.経済知識が自然と身につく

 

 賢く資産運用するには、積極的に政治や経済・市場動向などを調べることが大切です。ご自身が持っている投資商品の相場をチェックしたり、為替の動向を見たりするだけでも自然と知識が身に付いてきます。

経済知識は仕事の役に立つこともありますし、税に関する知識は賢く生きるために知って損はありません。

 また、資産運用を始めると、普段は家計に無頓着な方でも家計を見直すきっかけになります。短期間で多額の収入を増やすことは非常に難しいので、自然と長期的に収支を考えるようになります。

 生活の中でのお金の流れを把握し管理することが、資産運用の第一歩になります。

資産運用するデメリット

1.元本割れする可能性

 投資で資産を増やす場合、大きなリターンが得られる運用にはそれだけのリスクがつくため元本割れする可能性があります。

 振れ幅が大きい投資商品であるほど、上に大きく振れるリターンがある分、下に大きく振れるリスクもあります。例えば、10万円投資したとして、2倍3倍のリターンになることもありますが、逆に10万円が1万円になる可能性もあります。

 投資をする以上、元本割れを100%回避する方法はありませんが、資産を分散したり時間を味方にして長期的に資産を積み上げていくことで、損失が大きくなるリスクを緩和させることが可能です。

2.投資商品や運用方法によっては途中で資金を引き出せない

 iDeCoなど、投資商品や運用方法によっては途中で資産を引き出せないものや、現金化できないものもあります。

 投資信託や株式などは、いつでも換金ができます。しかし、いつでもと言ってもタイミングによっては資産価値が下がっていることがあるので、換金するタイミングには注意が必要です。

 そもそも投資は、投資対象の成長を中長期的に待ってリターンを得る運用になります。そのため、最初から「十分に待つ時間が必要」であることを前提に、あくまでも余剰資金で行うことが望ましいでしょう。

3.資産運用は時間がかかる

 

 先ほども述べましたが、投資は投資対象が成長するまで待つ必要があります。投機であれば短期的な取引でリターンを得ることも可能ですが、初心者にはハードルが高くあまりお勧めできません。そのため、最初からある程度時間がかかることを理解しておきましょう。

 しかし時間をかけることは、時間分散効果によりリスクを抑えた運用ができるというメリットにもなります。

 また、投資方法にもよりますが、最初のうちは資産運用に関する勉強が必要になります。単に銀行に預金するだけであれば運用のために割かれる時間はほとんどありませんが、株取引やFXであれば、金融商品に関する情報を集めたり、経済動向を常々把握しておく必要もあります。

 そのため、今まで日常生活の中で他に使えていた時間を、投資に割くことになるでしょう。

 また、どんな方法であれ初心者であれば資産運用関係の勉強は必要になりますので、最初のうちは楽ができないという特徴もあります。

まとめ

 今回は、資産運用のメリット・デメリットについてお話ししました。

投資と聞くと、一昔前であれば裕福層の人々がさらに資産を増やすためのギャンブル的な意味合いの投資、というようなイメージがあったかと思います。

 しかし現代は、平均収入の世帯こそ、安心して子育てしたり老後を過ごしたりするために、計画的な資産運用が必要な時代になりました。

 計画的に運用するためには、メリット・デメリットを理解し、自分の生活に適した方法で運用することが重要です。資産運用と言っても方法は様々ですので、一つずつ丁寧に調べたり、勉強をしたりして、最適な方法を見つけていきましょう。