みなさん、こんにちは。
海外銀行口座|メリット・デメリットを解説で、海外口座を作るメリット・デメリットを説明しました。海外口座を開設するには基本的に現地へ赴き窓口で直接手続きをしなくてはいけません。
「日本じゃできないの?」そう思う方も多いかと思います。今回は日本に居ながら口座開設が可能なのか?について、メリット・デメリットも合わせてご説明します。
海外口座は日本では開設できないのか?
実は一つだけ、日本に居ながら海外口座を開設する方法があります。
それは、三菱UFJ銀行を通じて「米国ユニオンバンク」の銀行口座を開設することです!三菱UFJ銀行では、他にタイのアユタヤ銀行口座開設もできますが、タイに移住することが条件なので、日本に居ながら口座開設するとなると、ユニオンバンク一択となります。
ユニオンバンク口座開設に必要なもの
ユニオンバンクで口座開設するには下記3点が必要です。
- 三菱UFJ銀行口座
- カリフォルニアアカウントプログラム申込書
- 本人確認書類
本人確認書類は、下記の(1)から2種類、または、(1)(2)から各1種類
(1) 運転免許証/パスポート/住民基本台帳/個人番号カード/在留カード |
(2) 運転経歴証明書/クレジットカード/健康保険証 |
ユニオンバンク口座開設の流れ
ユニオンバンクで口座開設する際の流れは、
- 三菱UFJ銀行の口座を開設する
- カリフォルニアアカウント・プログラムの資料請求
- カリフォルニアアカウント・プログラムの申込み
です。
1.三菱UFJ銀行の口座を開設する
開設には1~2週間ほどかかります。
窓口だけでなく、アプリ「スマート口座開設」でも開設可能です。
2.カリフォルニアアカウント・プログラムの資料請求
三菱UFJ銀行の口座開設が完了後、三菱UFJ銀行の海外口座ご紹介サービス「カリフォルニアアカウント・プログラム」にアクセスして、資料請求します。(PDF版の申込書ダウンロードでも可)
3.カリフォルニアアカウント・プログラムの申込み
申込書は全部で25ページもありますが、その中で重要な部分は下記の2項目です。
- 名義人
- 口座の種類
名義人について
海外では、家族の資産を共同名義で管理できます。
日本では、名義人が亡くなった場合の手続きが不便ですが、共同名義だと仮にパートナーに何かあったとしてもそのまま利用できるので便利です。
口座の種類について
ユニオンバンク口座には2種類あります。
口座の種類 | 金利 | 手数料 |
---|---|---|
(1)Savings Account | 金利あり | 7回/月以上の取引で15ドル |
(2)Checking Account | 金利なし | 手数料なし |
(1)Savings Account
Savings Accountとは、金利がつく口座のことで、投資運用にむいています。しかし、毎月の取引回数上限を超えると手数料がかかるため、普段利用するお金の引き出しや決済には不向きです。
(2)Checking Account
Checking Accountとは、お金を引き出したり決済を行ったりするなど、取引をするための資金を預入しておく口座です。日本の普通預金と似ていますが、金利が付きません。
また、この口座はデビット機能を付けることができます、デビット機能があれば、海外のオンラインショッピングサイトを利用した時に米ドル決済ができるので、為替を気にせず買い物ができて便利です。
ではどちらの口座を開設するのがいいのかというと、両方とも開設することをお勧めします。どちらもメリット・デメリットあるので、用途によって上手く使い分けるのが良いでしょう。
4.ユニオンバンク口座開設までの期間
ユニオンバンクの口座開設申込書を郵送したら、約1週間後に口座開設通知が届き、その1週間後にオンラインバンクの暗所番号やATMカードが届き、オンラインバンクが利用できるようになります。
暗証番号が届いたらオンライン登録を済ませましょう。
5.ユニオンバンクのメリット
資産のリスク分散ができる
「海外口座ってなに?メリット・デメリットを解説」でも説明しましたが、日本もいつ財政危機に陥るか分かりません。もしもの時に備えて、資産の一部を海外口座に預けておくならリスク分散になります。
アメリカ証券口座と連携しやすい
将来アメリカに海外移住する可能性がある方の場合になりますが、海外移住してしまうと、日本の証券口座が使えなくなります。
アメリカの銀行口座を持っていると、移住後に本拠地であるアメリカの証券口座と連携しやすくなるので便利です。
金利が若干高い
現在の金利は表の通りです。日本の銀行では、普通口座の平均金利が0.01%なので、比較すると若干高く設定されています。
しかし、他の海外銀行口座では平均3~5%となっています。
そのため、日本で海外口座を作って低金利で運用するのか、それとも現地の窓口で口座開設をして高金利で運用するのかを考えると良いでしょう。
【2020年7月現在の金利】
残高 | 年利率 |
---|---|
$ 0.01〜2,499.99 | 0.01 |
$ 2,500.00〜9,999.99 | 0.05 |
$ 10,000.00〜24,999.99 | 0.05 |
$ 25,000.00〜49,999.99 | 0.08 |
$ 50,000.00〜99,999.99 | 0.08 |
$ 100,000.00〜499,999.99 | 0.08 |
$ 500,000.00〜999,999.99 | 0.08 |
$ 1,000,000.00〜999,999,999.99 | 0.08 |
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米国の預金保証制度(FDIC)の対象
FDICとは、連邦預金保険公社の略で、被保険銀行における所定の預金を保護するために預金保険業務を行うアメリカの独立機関のことです。ユニオンバンクはFDICの対象になっているので、もし銀行が破綻したとしても、10万米ドルまで保証されるので安心です。
6.ユニオンバンクのデメリット
残高によっては口座維持費がかかる
ユニオンバンクでは、口座維持費という手数料があります。これは一定の条件をクリアすることで回避できます。
口座 | 月次手数料 | 回避条件 |
---|---|---|
Savings account (金利あり) | 4ドル | 月初の残高が最低300ドル |
Checking account (金利なし) | 8(オンライン明細書) or 10ドル( 紙媒体明細書) | 月間平均残高1,500ドル |
凍結リスク
12ヶ月以上、口座を利用していないと休眠口座とみなされ口座が凍結されてします。凍結後、再度利用するには国債電話(無料)にてロック解除をしなくてはいけません。
確定申告が複雑化
海外の銀行に預金した利子は、「利子所得」として他の所得と合算して課税されます。ここで注意しなくてはいけないのが、海外口座の預金利子は、外貨建てであることや源泉徴収が控除されている場合があることから、控除の計算が複雑になります。
7.海外口座への送金方法
海外口座に送金する際は「トランスファーワイズ」を利用しましょう。
海外口座に送金する場合、日本の銀行間での送金とは違い、着金するまで数日かかったり、途中でなんらかのトラブルにより送金されないことがあります。そのため初めて入金する場合は、いきなり多額を送金するのではなく少額でテストしてからの方が安全です。
三菱JFJ銀行からも送金可能ですが、手数料が最低5,000円かかるので少額を送金するにはコストが高過ぎます。一方、トランスファーワイズは100,000円までは手数料が1,000円未満なので、少額送金でも利用しやすくなっています。
※金額によってはトランファーワイズ以外を利用した方が手数料が安く済むこともあるので、事前に調べてから送金しましょう。
まとめ
今回は、日本に居ながら海外口座が開設できるのか?についてお話ししました。結論として、三菱UFJ銀行を介してアメリカのユニオンバンクに口座開設することができます。しかし、海外口座の最大のメリットとも言える金利の高さという点では、残念ながら日本の金利より若干高めに設定されているだけなので、高金利で運用したいという方にとっては不向きな方法となります。
ですが「英語も苦手だし、わざわざ現地に行って手続きもできないし、今ある資産のリスク分散ができればいい」という方にとっては、非常に便利な方法となりますので、活用してみてはいかがでしょうか。